天神講とは



見つめる男の子

天神講は、子どもの健やかな成長と学業成就を願う行事。学問の神様とされる「天神様(菅原道真公)」に由来する、日本の伝統行事です。道真公の命日である2月25日に自宅の床の間に天神様の掛け軸や置物を飾り、お供え物をします。天神様は子どもの守り神でもあります。道真公を祀る日本各地の天満宮や天神社でも、大きなお祭りが行われます。

天神講を知らない方もいる?!

天神講って、なんだろう?聞いたことはあるような気がするけれど、うちには関係のない行事かも。そう思っている方は、実は多いのではないでしょうか?天神講なんて全く聞いたことがないという方も、もしかしたら、いらっしゃるかもしれません。

日本には四季折々に様々な行事があります。特に有名なのは「五節句」。季節の変わり目(節目)ごとに設けられ、無病息災、子孫繁栄、五穀豊穣を祈ります。江戸時代に幕府が公的行事とし、祝日に定めました。

  • 人日の節句(1月七日)は、七草の節句とも呼ばれ、七草粥を食べます。
  • 桃の節句(三月三日)は、ひなまつりでもあり、ひな人形を飾り、女児の健やかな成長を祈願します。
  • 端午の節句(五月五日)は、子どもの日。兜飾りやこいのぼりを飾り、男児の健やかな成長を祈願します。
  • 七夕の節句(七月七日)は、七夕まつり。笹の葉に願い事を書き、天の川に思いをはせます。
  • 重陽の節句(九月九日)は、菊の節句。「お九日(おくんち)」とも呼ばれ、秋の収穫祭でもあります。







天神講は、五節句のような全国共通の行事という訳ではありません。もちろん、天神様(菅原道真公)をお祀りする神社などではお祭りをしますが、一般的に天神講を行っているご家庭はあまり多くはないようです。地域によっても差があり、福井、富山、新潟といった北陸地方ではポピュラーな行事ですが、関東地方、東北地方、北海道地方、そして九州・沖縄地方、四国地方、中国地方では、馴染みがない方の方が多いのではないでしょうか。

伝えていきたい、伝統行事

天神講は、学問の神様とされる菅原道真公にあやかって、子どもの学業成就を祈る行事と思われがちです。でも、学業といってもさまざまなものがあります。大学や高校の入試に向けた勉強だけではありません。将来なりたい職業に近づくための資格の勉強、そして書道や音楽、美術といった芸術も学業のうちに入ります。スポーツだって立派な学業です。社会的規範を身に着け、健康に成長すること、そのものが、学業といえます。

天神講は、子どもたちが心身ともに健康に成長することを願い、エールを贈る節目の行事。これからも後世に伝えていきたい、日本ならではの伝統行事のひとつです。

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