新潟の天神講は和菓子に注目!



粉菓子

新潟県の燕市では、天神様の掛け軸とともに粉菓子や金花糖、粉菓子といった色鮮やかなお菓子をお供えして、子どもたちの健やかな成長と、学業成就を祈ります。受験生のいるご家庭では、もちろん合格祈願も。2月25日の前になると、市内のお菓子屋さんやデパートには色鮮やかなお菓子が並び、見ているだけでも心が浮き立つような気持ちに。雪深い越後に暮らす人々にとっては、厳しい冬の終わりとあたたかな春の訪れを喜び、天に感謝する季節行事でもあります。

燕市は、新潟県の中央部に位置し、洋食器の生産で世界的に有名な市。江戸時代には信濃川の河岸に大きな船着場が設けられ、米の集積地として、また、水運の中継基地として大変に栄えました。燕の天神講はこの頃からの風習を受け継いだ、非常に華やかな行事です。

粉菓子

燕の天神講に欠かせない粉菓子とは、落雁の中に餡が入っている可愛らしい和菓子。素朴な味が懐かしいです。

米などから作った落雁の粉に砂糖を加え、型に押すときに餡を一緒に入れて押し固め、乾燥させてから色を付けています。鯛の形が最も伝統的で、その他にも天神様、だるまさん、飛び梅伝説の梅、縁起物の松や竹などなど。天神講の季節になると、それぞれの和菓子屋さんに代々伝わる秘伝の木型を使って、美しい粉菓子が作られ店頭に並びます。






金花糖

燕の天神講独特の和菓子。天神講の季節になると市内の和菓子店でひとつひとつ丁寧に手作りされます。陶器のように真っ白な生地に彩色が浮かび上がり、食べるのがもったいないくらいとても美しい砂糖菓子です。

製作はひとつひとつ丁寧に手作り。溶かした砂糖液を水で冷やした木型に流し込みます。外側が固まったら中のまだ固まっていない砂糖液を注ぎだします。木型から抜くと、中が空洞になった金花糖が現れます。これを乾燥させてから彩色を施します。

形は立体的で、片手に乗るくらい小ぶりで、可愛らしい大きさ。天神様の他、七福神様(恵比須様、大黒様など)、まねき猫、にわとりなどがあります。中は空洞なので、衝撃に弱く、壊れやすいのが難点。持ち帰るときには要注意です。

受験前に天神様の金花糖の頭をかじると、第一志望校に合格する!というジンクスが有名になって、最近では合格祈願グッズとしての需要もあるようです。

なお、燕市内でも金花糖を作っているのは吉田地区と分水地区だけ。金花糖で天神様を作っておまつりする地域は全国でも燕市だけのようで、残していきたい大切な地域の風習とされています。最近は天神講の前に金菓糖の絵付け体験を企画しているお店もあるので、お子さまと一緒に参加してみるのもいいのではないでしょうか。

 

関連記事

ページ上部へ戻る